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オイルの知識
乾式潤滑の基本作動
乾滑の作動原理は、下記により的確に説明できます。
図2のように同一サイズのスチールボール(AISIC52100軸受綱)3個を相接するように固定し、そのうえに同一サイズのボールがフリーに乗せてある。これをMoS
2
粉末の中に埋めて上のボールを無負荷で定速回転させると、ボールの3つの接点にMoS
2
被膜が形成される。つまりボールの3つの接点では、導入されたMoS
2
がボールにより、強く圧縮され、こすられることにより接点に付着され、ボールの回転により絶えずMoS
2
が補給されることになる。
上のボールに掛ける負荷を徐々に上げながら定速回転させるとMoS
2
粉末が補給されてMoS
2
被膜が維持される。
図1(乾式被膜潤滑参照)。
負荷がMoS
2
被膜の耐荷重能の限界を超えるとMoS
2
被膜が破断し摩擦抵抗が発生するはずである。
四球試験機で加えられる最大の負荷は、1tであるが、上のボールに1tの負荷を掛けても摩擦抵抗が発生しない。試験機からボールを取り出すと図3のように4つのボールは塑性変形を起こしていた。そして4つのボールの総重量は試験前と比べ変化は見られなかった。
これはMoS
2
被膜の耐荷重能がAISIC52100軸受綱の圧縮降伏点を越えていることと金属が磨耗していないことを意味する。
以上のことで金属が摺動するとき、潤滑媒体としてMoS
2
の被膜を形成させ、MoS
2
の補給により、被膜を維持させる事により金属の磨耗を完全に防止させることができる。然し四球試験のような方法は事実上不可能である。摺動する金属間に出来るだけ多くのMoS
2
を介在させる事が良好な潤滑効果を得られることは湾曲橋桁横引工法でも実証済みである。
実用上便宜な溶液状として各種の製品としている。
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